スローブログ宣言! |鈴木 芳樹
スローブログ宣言!
鈴木 芳樹
技術評論社 刊
発売日 2005-06-22
価格:¥1,449(税込)
オススメ度:★★★★
ビジネスブログしか知らない人に読んで欲しい 2005-07-08
本書は、著者の個人的なブログ体験史をまとめることで、ブログが普及する過程から現在まで歴史の一部をなぞった本です。
そういった意味では、『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』につらなる本と言えます。ただ、あの本のように膨大な情報を詰め込んだ書籍ではなく、資料性はありますが、どちらかというと読み物的な書籍で、歴史も時系列で追いかけるというより、ブログにハマる過程で特に著者が関心を持ったことをトピックとしてまとめています。
本書にも載っていますが、「ブログが日本で紹介された際に、一部の紹介者のミスリードによってブログ自体にマイナスイメージがついた」ことも知らないブロガ―が増えた昨今、本書に載っている事件や話題はネットで拾えないこともない情報ですが、いちいち探しだすのは面倒ですので、ブログの歴史の一部をまとめた本書は、貴重な一冊だと思います。
ブログにまつわる諸問題(有名人ブログ、著作権、ブログで稼ぐことなど)について分かりやすく問題提起している本でもありますが、個人的には、たかだか5年程度の歴史ですが、「あーあーそういこともあったね〜」とか「へーそんなことあったんだ」と、なつかしく自分のブログ体験を振り返りました。
最近ブログをはじめて、アフィリエイトやビジネスブログしか知らない人に読んで欲しいけど、そういう人は本書に関心をもたないかな(苦笑)。
ウェブログの文化や歴史に感心のある一般ユーザ向け 2005-07-02
ウェブログ文化の解説書です。教育用の学内 LAN に構築されたブログや企業内コミュニケーション用のイントラブログは対象外。いわゆるビジネスブログもほぼ捨象され、趣味としてウェブログに関わってきた一般ユーザの視点から、ウェブログ界隈の文化と歴史を総覧する内容となっています。
著者は一人称を「オレ」に設定しています。このことから想像がつくように、本書は著者個人の見解からなります。客観データなどは登場しません。そして実際、著者の個性が強く反映された記述が多々あります。しかしそれゆえに、本書は地に足のついた現実のウェブログの姿を活写することに成功しています。
思えばレベッカ・ブラッドの「ウェブログ・ハンドブック」も私的見解をまとめた内容でした。少々整理が行き届かない部分があるとはいえ、本書は日本版「ウェブログ・ハンドブック」ともいえる1冊。
本書はまだウェブログの運営経験のない方をも対象読者としていますが、少なくとも一定のウェブログ閲覧経験は要します。またウェブで情報発信した経験が一切ない方にも、あまりお勧めはできません。全くの初心者は「みんなのブログ Vol.3」「全部無料(タダ)でつくるはじめてのブログ」など他書をご検討ください。
私が最も本書をお勧めしたいのは、ウェブログをしばらく運営してきて、界隈の文化について疑問を感じたり、歴史に関心を抱くようになった方です。第3章あたりまではお勉強になるので面白くないかもしれませんが、第4章以降は日頃の問題意識と重なってきて興味深く読めるのではないでしょうか。
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